六月は雨上がりの街を書く

窓映る街の群青
窗映出街道的群青
雨樋を伝う五月雨
雨簷滑落的五月雨
ぼうとしたまま見ている
我出神的注视着
雫一つ落ちる　落ちる
一颗水珠下落 下落
心の形は長方形
心的形状为长方形
この紙の中だけに宿る
仅寄宿于这张纸中
書き連ねた詩の表面
开列的诗的表面
その上澄みにだけ君がいる
你只存于诗上澄清的部分
なんてくだらないよ
无聊透顶
馬鹿馬鹿しいよ
愚蠢透顶
理屈じゃないものが見たいんだよ
想看到不合常理的事物
深い雨の匂い
雨的气息浓郁
きっと忘れるだけ損だから
若忘却一定会感到可惜
口を動かして
双唇颤动
指で擦って
以指尖拭去
言葉で縫い付けて
以言语缝合
あの街で待ってて
于那条街等待
雨音の踊る街灯
雨声跃动的街灯
薄暮の先の曲がり角
薄暮尽头的拐角
一人、足音のパレード
一人 脚步声的游行
夏を待つ雲の霞青
等待夏日 云色泛蓝
今の暮らしはi^2
现在的生活是i^2
君が引かれてる0の下
减去你便小于0
想い出の中でしか見えない
仅在回忆中才能看见
六月の雨上がりの中で
于六月的雨后初晴中
笑った顔だって書き殴って
笑容也是乱写一气
胸を抉って
心如刀绞
割り切れないのも知ってたんだろ
大概早已清楚无法完全捨弃
深い雨の匂いだって忘れるだけ損なのに
明明忘却浓郁的雨水气息只会感到可惜
ただ僕の書いた手紙を読んだ
仅是读着我写的信
君のその顔が見たい
想看到你那副模样
あの夏を書いてる
描写着那个夏日
どうだっていい事ばかりだ
接连是怎样都无所谓的事
関わり合うのも億劫だ
连卷进去都认为麻烦
言葉に出すのも面倒だ
以言语表达也麻烦
結局君だけだったのか
到最后只有你不会麻烦吗
だってくだらないよ
因为无聊透顶
馬鹿馬鹿しいよ
愚蠢透顶
理屈じゃないのも知ってたんだよ
我也清楚这并非理由
深い雨の匂い
雨的气息浓郁
ずっと雨の街を書いている
一直描写着雨的街道
心を動かして
动人心弦
胸を焦がして
内心焦灼
このまま縫い付けて
就这样以言语缝合
あの街で待ってる
于那条街等待