いばらの燈々
移ろう季節に取り殘されぬよう
時計の針にしがみついた
爭いの業火は影さえ焦がして
猩紅の海にすべて沈んだ
いつの間にか誰かが吹き消した
大切な燈を忘れていた
抱きしめたいばらの宿命なら
穢れなど恐れはしない
風のまま徬徨う朧月夜に
指先は辿る君の元へ
傘も差さずに立ち盡くす君に
何の言葉も渡せなくて
昨日の夢を思い出すよりも
今日の痛みを覚えていたい
歪みだしたセカイの雲間から
一筋の陽が照らしていた
宛ても無いこの旅の果てには
どんな花が咲いているだろう
運命を切り裂いていくこの手で
いつの日か君の頬を撫でよう
眠れぬ夜を數える毎に胸に宿した
いばらの燈々いばらの燈々一縷の光
抱きしめたいばらの宿命なら
穢れなど恐れはしない
宛ての無いこの旅の果てには
どんな花が咲いているだろう
風のまま徬徨う朧月夜に
指先は辿る君の元へ