夏のロケット
もう言葉が出ないよ
君にもう一度
會いたい
丘から眺める海が好き
君と眺める海が好き
その夏世界は震えた
火星が地球に衝突する
ウェブを駆ける情報
理由は分からないがどうやら本當らしい
殘された時間はあと二年
NASAが消滅した
北からのミサイル
人類の技術はどうやらここまでらしい
君は庭先に櫓立ててロケットを組み始めた
できることをしたくて
狂ってしまいそう
君が道標だよ
ありったけの燃料積み込んで
ありったけの希望乗せて
飛ぶのさ
科學なんて糞くらえ
君の未來を守りたい
あたしにできるすべて捧げて
宇宙へと向かう夏の流星になるの
(Ah)
もうすぐ発射時刻
丘から聞こえる歌が好き
君の作った歌が好き
その夏ロケットは飛んだ
時速60000kmまで空を切り裂け
軋む機體焼かれる外裝
馬鹿げた挑戦の果て
超然と迫る赤い星
地球最期の日が來た
君は少し泣いた
人類の歴史はどうやらここまでらしい
やっと會えた二人みたいに
星はゆっくりと潰れていった
文明の終焉
気が觸れてしまいたい
君がそばにいるから
目一杯に哀惜振り切って
見栄っ張りの加速つけて
ゆくのさ
噓つきホーキング
噓つきアインシュタイン
一千億の命のリレーは
宇宙へと消える記憶の煌きになるの
(Ah)
もう夏は來ない
あれから二億年限りない孤獨な飛行
もう言葉が出ないよ
最後のラップトップにインストールされたボーカロイド
あたしには歌うことしか
できないのに
もう一度
會いたい
うまく歌いたい
宇宙一うまく歌いたい
人類がここまで來た証を
(ラララ・・・)
銀河へと向かう君の歌聲になるの
(Ah)