火の海
「火の海」
さぁ愚図愚図してる暇はないのよ
ほら選んでごらん怯えてちゃ駄目よ
売り言葉に買い言葉で発破をかけて
最後に殘るは燈火ひとつ
いつも九十九折(つづらお)りの運命白い紙に赤く走らせ
やけに頼りないこの戀燃やせば
きっときっと綺麗
誰よりも優しい炎夜の色にそっと隠して
凪ぐことのない火の海より真っ赤な愛をあなたに
祈りを焼(く)べ佔う未來に妖しい影は秘かに揺れて踴り出しそうよ
いつもそうよ不安を自ら先取りしては
小さな胸は張り裂けそうよ...いや
まるで蛇腹折りの人生黒い髪に紅く映えるルージュ
まさに遣る瀬ないときこそきっときっともっと綺麗
誰よりも優しい炎夜の色にそっと隠して
凪ぐことのない火の海より真っ赤な愛をあなたに
もっともっと強くなれるよきっとずっと優しい炎
もっともっときっときっと...