幻夜
気がつけばお前と俺は
すれちがいの かわいた言葉
つかれはてて たどりつくのは
重くけだるい眠れぬ夜
俺とお前の 背中のすきまから
小さなため息が生まれた
互いに心を探りあうけれど
霧も深いやみも深い
うらぎりの夜が落ちてゆく
落ちてゆく
気がつけばお前の指に
俺の知らない銀の指輪
あこがれだけで 戀がしたいと
つぶやく口びる ふるえていた
俺とお前が歩いて來た道
ふり返れば それはまぼろし