戀し月虹
雲の隙間縫って月が君に零れる
ただ一人眺めてた秋の夜空
どんなに隠しててもその光の強さは
輪郭がわかるように輝いてた
さよならの句を詠む終える前に
君の體溫(ぬくもり)が戀しくて涙流れた
季節を変えてく風がこの胸を冷たく貫く
神様なんて始めから居ないと分かってても
今日も君を想い祈り続ける
空に朧と浮かんだ月が雲に滲んで
微かな希望のように虹映してるから
木の葉染めてくような彩段階(グラデーション) 描いて
君と笑顔の秋(とき)を塗り替えてく
いつか必ず散り、次の生命になれば
そんな永遠の日々すら報われると
ふたたびの唄を奏でてみたとき
君の聲が聴こえた気がした
慌てて合わせようとする度ふっと
どこか遠くへ消えてしまった
神様なんていつでも都合のいい言葉で
夢ちらつかせてはすぐに去って行く
それでも君への想い変わらずに歌うから
掠れた聲すらも祈りに変えながら
柔らかい風に靡いた薄が
戀しい旋律を鳴らして揺れるよ
その遠か空の上に輝く月の夜は
切なくも君を浮かべていた
「神様はね、いつでも側にいてくれるんだよ
森の樹にも風もあの月にでも」
そんな君が言う言葉に今日も救われるから
季節が変わろうとも眺めている
神様なんて始めから居ないと分かってても
今日も君を想い祈り続ける
空に朧と浮かんだ月が雲に滲んで
微かな希望のように虹映してるから