第1話勇気を出して -古河 渚-
勇気を出して
拿出勇氣來
三年生に進級した、その日の朝
升到三年級之後,那一天的早晨
職員室の前に張り出された
職員室前貼出了分班表
クラスの割り當て表を見上げる
我抬頭尋找著
新しいクラスに話ができる人は一人もいなかった
還是沒能和新班級裡的同學說上話
その日の
放課後那天放學後
下校生徒でにぎわう廊下
學生們吵鬧的走廊上
「こちら木村さん
“這是木村同學
新しいクラスで前席になった子」
新班級裡坐在前排”
友達の子に、一人の女の子を紹介される
朋友向我介紹一個女孩子
「はじめまして古河渚です…えへへ」
“初次見面,我是古河渚”
精一杯の笑顔で挨拶する
努力擠出微笑來打招呼
「木村さんと私このまま服みにいくけど
“木村同學和我現在要去看衣服
渚ちゃん、どうする? 」
小渚你呢”
「ええと…」
“那個...”
考える。迷う
思考著,卻不知所措
「道草いけないので、帰ります」
“因為不能在路上逗留,我要回家”
結局そう答えた
結果還是這麼回答了
「そんなの気にしてる子今どこもいないで
“現在已經沒有學生這麼介意了吧。
ほら、行こうよ」
好了,一起去吧”
「えん…」
“嗯...”
迷う,考える
不知所措,在思考著
「大丈夫だって」
“沒事的”
「その言葉が、私の背は後押しする」
那句話在背後推著我
「それでは今日だけ付き合わせて頂きます」
那就只限今天我們一起去吧
目を瞑って、そう答えた
閉著眼睛這麼回答了
「そんな力入れて
“下了這麼大的決心,
古河さんっておおげさだね」
古河同學也太誇張了”
木村さんという子が、私を見て笑う
叫作木村的同學看著我笑了
「面白い子なんだよ、渚ちゃん」
“小渚是個有趣的孩子呢”
私のことを話題に歩き出す
路上走的時候也在說我的事情
すごく照れくさかった
太不好意思了
デパートの中を三人で見て回る
三個人在商場裡逛著
「もうドキドキします“
心已經撲通撲通在跳了
先生に見つかったら
老師發現了的話
絶対に怒られてしまいます」
一定生氣的”
「他にもウチの制服の子いっぱいいるじゃん
“其他穿著我們學校校服的人也還有很多嘛
あ、ほら
看
このワンピース絶対渚ちゃん似合うよ
這件連衣裙肯定很適合小渚
試著してみて? 」
試試看? ”
「試著までするんですか
“還要試衣服嗎?
すごくドキドキします」
我已經很緊張了”
「試著もせずに買えないでしょう
“要買的話怎麼能不試試呢
ほら、著てみて、著てみて」
來穿穿看,穿穿看”
「私は見てるだけでいいです」
“我看看就可以了”
「いいから」 “
沒事的”
胸にワンピースを押し付けられる
連衣裙被按在了我胸前
情けない聲が上げて試著室へ
我悲哀著走向了試衣間
服を著換え終えて
換好衣服
カーテンを上げると同時
拉開簾子的時候
「先生來た、早く逃げるよ」
“老師來了,快逃”
「え…はあー」
“嗯...啊?”
値札がついたワンピース姿のまま
穿著還沒拿下標籤的連衣裙
デパートの中を走る
我在商場裡跑了起來
結局、それは私をだます噓だったのだけど
結果這是騙我的
だけど
雖然是騙我的
楽しかった
但還是很開心
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「で、俺たちは何をしてんだ」
“所以我們到底在做什麼”
俺はベニヤ板を押さえながら、訊いてみる
我一邊壓著複合板一邊問道
「入學式の準備だねぇ」
“在做入學式的準備”
金槌で釘を打ちながら春原が答える
春原一邊用錘著釘子一邊回答
「何でそんなことをしてんだ」
“為什麼要做這種事啊”
「それは罰ですね」
“這是懲罰”
「何で罰を受けてんだよ」
“為什麼我們要受罰的”
「それは僕が授業中
“因為我在上課的時候
カーテンにくるまって隠れてのを
藏在窗簾裡
先生に見つかったからだねぇ」
被老師發現了”
「お前、アホだろ……」
“你是傻子吧”
「違うっ、
“才不是
僕が完全に気配を消して
我神不知鬼不覺地
隠れることに成功したんだ
藏得好好的
けどあいつが……杏の奴が
但是那傢伙,杏那傢伙
『先生、なんかカーテンの下から足が出ていますけどぉ』って
'老師,不知道為什麼窗簾下面出現一雙腳'
チクリやがったんだよぉっ! 」
這麼一針見血地說了”
「お前まぬけすぎるからな……」
“你傻得過分了吧”
「で、どうして俺まで」
“所以,為什麼我也”
「お前も授業サボってたんだから、同罪」
“你也逃課了,同罪”
こっちは中庭で日向ぼっこしてただけだってのに
我明明只是在院子裡曬太陽
カーテンに隠れていた奴と同罪
居然和藏在窗簾裡的人同罪
嫌すぎる
真煩
「ああー、もうやだっ“
啊,受夠了
なんで僕のようなアウトローが
為什麼像我們這樣的壞學生
新入生歓迎の手伝いなんてしてんだよっ」
居然在幫忙歡迎新生”
春原が金槌を投げ捨てる
春原把錘子扔到一邊
「でも、生活指導の大口が仕切ってるからな
“但是生活指導那邊已經選好了
逃げ出すとやっかいなことになるぞ
逃走的話會更麻煩哦
後、自分でアウトロー言うな」
還有,不要自己說自己是壞學生”
「そうだ、岡崎
“對了,岡崎
一つ罠を仕掛けておてやろうぜ」
要不要搞個陷阱”
「罠?」
“陷阱?”
「ああ、新入生をぎゃふんて言わせる罠
嚇唬一下新生的陷阱
この學校は甘くないんだぜっ
打個招呼讓他們記住,這所學校可沒有那麼美好
僕たちみたいなアウトローが居ることを覚えておきなってな挨拶さ
像我們這樣的壞學生也是有的
どう?」
怎麼樣”
「いや、まーどーでもいいけど」 “
不怎麼樣,算了,怎麼樣都可以”
「よしじゃあ“
好
とっとと自分たちの仕事を済ませちまおうぜ
趕快把活干完
ほらちゃんと押さえておけよ!
你好好按著
気合い入れていくぜ! 」
再加把勁
「律儀なアウトローだな……」
“這壞學生也太守規矩了”
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日もとっぷり暮れた帰り道
天完全暗下來的回家路上
木村さんも別れた後
和木村同學分別之後
「渚ちゃんも早くクラスで遊べる子見つかるといいね」
“渚同學也能早點在班裡找到玩伴就好了”
そう、彼女が私を振り返って言った
朋友回頭對我說
叱吒(しった)
鼓勵了我
うん、と小さく頷いた
嗯,我輕輕點了下頭
彼女と木村さんはこれから仲良くなっていくんだろうな
我和她還有和木村同學的關係會越來越好吧
同じクラスなんだから
畢竟是同班同學
そう思いながら
我這麼想著
ひとり家路(いえぢ)についた
一個人走在回家路上
家の敷居(しきい)をまたぐ
我進了家門
家はパン屋
我家是麵包店
今は店じまいの最中だった
現在店裡正忙著準備打樣
「おかえりなさい」 “
歡迎回家”
お母さんが手を止まってそう迎えてくれる
媽媽停下手裡的活迎接我
「ただいまです」 “
我回來了”
「おかえり。どうだ
歡迎回家,怎麼樣
親しい奴と同じクラスだったか」
有沒有和朋友一個班
くわえタバコのお父さんが足を止め
叼著煙的爸爸停下腳步
訊いてくる
問我
「いえ“
沒有
やっぱりクラス別れちゃってました」
果然還是被分到了不同的班裡”
「じゃ、新しい友達は
“那新朋友呢
席近い奴と話さなかったのか」
和坐位旁邊的同學搭話了嗎”
「全然話さなかったです」
“完全沒有”
「くわ…なんでそこでつっこんでいかないんだよっ”
為什麼沒能融入進去呢
自己紹介していけよっ
自我介紹一下啊
オレだよ、オレオレ、そう、渚
是我,我我,對,渚
あんたの孫(まご)の渚だよ
你的孫子渚啊
事故ちゃって困ってんだよ
遇到了事故很苦惱
ってつっこんでいけよ」
這樣融入進去啊”
「それなんか違います」
“總覺得有什麼不太對”
「まあ、それぐらいの勢いが必要だってこったよ」
“就是說這樣的氣勢還是要有的”
「二年の時も同じクラスの子親しくなるのに
“二年級的時候和班裡的同學搞好關係
すごく時間かかったんです
花了好多時間
今回も時間かかりそうです」
這一次好像也會花很久”
「てめぇ奧手だからなあ…」
“因為你太晚熟了啊”
「話すきっかけをほしいんですよね」
“你是想找到說話的時機吧”
お母さんが助け船を出すように言ってくれる
媽媽插話來幫我
「はい、そういうのがないと話せないです」
“對,沒有時機的話就很難搭話”
「じゃ、とっておきの作戦を伝授してやるか」
“那我教教你我珍藏的戰術”
「え、そんなのあるんですか」 “
還有那種東西嗎”
「ああ、先生を間違えて、お母さんって呼んでしまって
“把老師錯叫成媽媽
恥かくことあるだろう
不是會覺得丟臉嗎
それを応用してだな
把這個活用一下
先生を間違えてウルトラの母って呼んだよ」
把老師故意叫成奧特之母”
「もういいです」 “
不用再說了”
「最後まで聞けよ
“把話聽完啊
そうするとだな
這樣做的話
みんなが噂し始めるんだ
大家就會開始傳出流言
古河さんってもしかしてウルトラ関係の人
古河同學難道是奧特一族的人
変身できるの
會變身嗎
聞いてみようか
要不要問問她
古河さーーん」
古河同——學”
「夕飯つくります」
“我去做晚飯了”
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翌日は土曜
第二天是星期六
1時限目が終わった休み時間
第一節課後的課間
前の席の子が隣の子と話している
前桌的同學在和旁邊的同學聊天
何かのマスコットキャラクターの名前を忘れてしまったようで
好像是什麼吉祥物的名字忘記了
思い出そうとしている
想要想起來
私知ってる
其實我知道
でも、結局隣の子が思い出してしまった
但最後旁邊那個同學想起來了
「はぁ……」
“唉......”
小さく溜息をつく
我輕輕嘆了口氣
このままでいけない
不能就這樣下去
きっかけ、きっかけ
時機,時機
必死に考える
拼命地思考
ウルトラの母
奧特之母
古河さんってもしかしてウルトラ関係の人...
古河同學難道和奧特曼有關係
ぶんぶんと首を振る
頭搖啊搖
え?と斜め前の子が私を振り返っていた
斜前方的同學“欸”了一聲回頭看我
えへへ…と愛想笑い
親切地笑了一下
不思議そんな顔とした後
她露出一副不可思議的表情
また隣の席の子との會話に戻った
然後又和旁邊的同學聊天去了
「はぁ…」
“唉…”
次の授業の準備をしよう
準備下節課吧
結局その日も誰とも話すことができず
結果那天也沒能和誰說上話
終わってしまった
就結束了
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「なんでこんなことしてんだ、俺は」
“我為什麼在做這種事”
「ん?紙吹雪」
“嗯?在做紙吹雪咯”
*「紙吹雪(かみふぶき)」
形容飛舞的紙屑
「んなことわかってるよ」 “
這我知道”
春原と俺は向かい合って
我和春原面對面
色紙を鋏で切り刻んでいた
用剪刀剪著色紙
「どうして入學式の準備が終わったのに
“我的意思是入學式的準備明明已經結束了
俺たちはまだこんなことをしてんだよって意味」
為什麼我們還在做這種事”
「そりゃあ罠を仕掛けるためだよ
“為了佈置陷阱啊
おっと、くす玉の張りぼてが乾いた頃かなっ」
好了,紙糊的球應該快乾了”
「むちゃくちゃ心優しい先輩なってる気がするんだが…」
“我覺得我們已經變成心地善良的前輩了啊”
「ばぁか、體裁を整えもせずにドッキリが面白いかよっ」
“笨蛋,被穿著都不得體的前輩被嚇一跳也很有趣哦”
「ドッキリなのかよっ!」 “
被嚇一跳了好吧”
「いや、間違えた
“不,說錯了
挨拶、挨拶
是打招呼,打招呼
行儀いい先輩ばかりじゃねぇぜっていうさ」
讓他們知道不只有禮貌的前輩”
「あーもうなんでもいいよ“
怎麼都好
とっとと終わらせてくれ」
快點給我搞完”
「後は中から出てくる垂れ幕だな」
“接下來是中間掉下來的掛幕”
「ものすごい懲りようだな」
“真是個深刻的教訓啊”
「なんて書こうかなぁ
“在上面寫點什麼呢
『春原·岡崎仲良しコンビby夜露死苦』とか
'春原岡崎好搭檔by夜露死苦'
* 「夜露死苦」和「よろしく(請多關照)」同音
どう? 」
怎麼樣”
「ツッコミどころがいくつかあるが“
雖然有好幾個地方想吐槽”
とりあえずやめてくれ」 “
總之先換一個”
「じゃ、『陽平&(アンド)朋也ふたりは最高!by夜露死苦』」
“那'平陽和朋也兩個人超強by夜露死苦'”
「さっきよりツッコミどころが増えた
“比剛才那個還想吐槽
とりあえずbyの前後、逆だからな」
總之by的前後文倒了啊”
「文句ばっか言うんじゃねぇよ
“別光發牢騷
なら、てめぇが書けよ」
那你來寫”
「なんで俺が...」
“為什麼要我來... ”
「じゃ、『春原·岡崎仲良しコンビ&
“那就寫,'春原岡崎好搭檔&
オメガトライブwith J-WALK
歐米茄部落和J-WALK
featuring サザンの原坊以外by夜露死苦』にしよう」
featuring除了southern的原坊以外by夜露死苦'”
「むちゃくちゃ暑苦しいからやめてくれ」
“聽著就冒熱汗,容我拒絕”
「原坊は譲るよ」
“那把原坊也算上吧”
「いや、それ譲られても変わらないからさ...」
“不是,就算加上也改變不了什麼啊”
「だったら、お前が書けよ」
“既然這樣,那你來寫啊”
「わかったよ」 “
知道了”
俺は渋々筆をとる
我不情願地拿了筆
なんかいいように乗せられた気もするが
怎麼感覺輕易就被拉上賊船了呢
「この幕が垂れ下がった後に
“掛幕垂下來之後
アレが落ちてくるんだな」
那個才會落下來嗎”
「ああ」
“對”
「じゃあ、俺が言えるのはこれだけだ」
“那我只能這麼寫了”
書き上げた垂れ幕と紙吹雪をくす玉に詰め
我們把寫好的掛幕和紙吹雪塞進了紙球裡
封をする
封了起來
それを春原が體育館二階席の手すりに取りつけるのを
春原把球掛在了體育館二樓的欄杆上
俺は下からじっと見上げていた
我就在下面靜靜地看著
「つーかさ」
“話說”
「ん?なんか言った」
“嗯?你說什麼”
「これ、ひっかからないだろ…」 “
這個,沒人會上當的吧”
俺の目の前には紐(ひも)が垂れ下がっている
我的眼前垂下來一根繩子
そこには「誰か引いて、お願い、おもしろいよ」と書かれたタグ
上面有個標籤寫著“誰來拉一下,拜託了,很有趣喲”
「よーしっ、準備萬端
“好,萬事俱備
明後日の入學式が楽しみだぜぇっ!
期待後天的入學式吧
ふふ…ははは…はーっはっはっ! 」
呼呼哈哈哈哈”
春原の笑い聲だけが館內に木霊(こだま)し続けた
春原的笑聲在館內久久迴盪
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月曜
週一
今日は入學式
今天舉行入學式
朝のHR(ホームルーム)が終わると
早上的班會結束後
すぐ體育館に移動
馬上就去體育館
移動の時は
路上的時候
ひとりが目立って見えるから
因為一個人很顯眼
なんとなく好きじゃなくて
不怎麼喜歡這樣的感覺
かといって
雖然這麼說
自分から「一緒に行こう」とも言い出せず
還是不能主動說出“一起走吧”
ああ、今日の夕飯は揚げ物ならコロッケか
啊,今天的晚飯要油炸的話炸可樂餅嗎
対するはなんだ
對應的是什麼呢
レンコンをすって揚げたの
還可以炸蓮藕
どっちにしようか
該選哪一個呢
うんうんと必死に考えながら
我拼命地思考著
體育館へ
走向了體育館
しめやかの入學式の空気だけど
雖然入學式的氣氛嚴肅
生徒側の席はざわついた感じもする
但學生座位這邊還是有些吵鬧
退屈なのかときどき口を押さえながらあくびをしている一年生もいた
一年級學生也因為無聊而時不時交頭接耳,還有打哈欠的
二年前に私が入學式に出た時は
兩年前我參加入學式的時候
緊張でそれどころじゃなかったんだけど
緊張得很,哪敢像他們那樣
長い校長先生の話が終わって
校長漫長的講話結束了
眼鏡をかけた女生徒が一年生総代で挨拶をしていた
一個帶著眼鏡的女學生代表一年級做了問候
やがて一年生が花道を通って退場していく
終於新生沿著花道退場
父兄にまじてそっと拍手を送る
伴隨著家長們歡送的掌聲
入學式が終わる
入學式結束了
またひとりで戻る
又要一個人回去了
二階ギャラリー席
二樓的觀眾席
そこには未だ球形を留めるくす玉
紙球還完好無損
「誰も引っかからなかった」
“誰也沒有拉”
隣の席で春原が呆然としている
春原在旁邊座位發著呆
「あんなもんに引っかかる奴なんているかよ
“那樣就拉開的傢伙
そいつアホだぞ」
一定是傻瓜吧”
「くそぅ“
可惡
あいつらは僕の頭脳を上回っていたってことかよ」
難道那些傢伙都比我聰明嗎”
「お前はその一番底だからな」
“因為你已經是底線了”
「いや、待て、誰か立ち止まってるぞ」
“不,等等,有人在那站住了”
春原の視線の先を追う
隨著春原的視線看過去
言葉通り
如他所說
ひとりの女生徒がくす玉の真下に立っていた
一個女生站在紙球的正下方
「一年か」
“一年級嗎”
「いや、さっき解散した三年じゃない」
“不對,剛才解散的不是三年級嗎”
女生徒が正面に向けて手を伸ばした
女生把手伸向了前方
まさか引くのか
難道要拉嗎
引いた
拉了
ばかっとくす玉は割れ
啪的一聲紙球破開了
紙吹雪が舞う
紙吹雪飛舞著
俺の書いた垂れ幕と
還有我寫的掛幕也落下
そして
然後
金だらい
是鐵盆
女生徒はそれをまともに受け
結結實實地砸到了女生
その場に卒倒した
她就這麼昏倒了
「おい、岡崎」
“餵,岡崎”
「ああ、アホな子がいた」
“傻瓜出現了”
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目覚めた時
睜開眼的時候
私はベットに寢ていた
我已經躺在了床上
そばには見覚えのあるクラスメートの顔
旁邊是有點眼熟的同學
クラスで前の席のふたりだった
是班裡前排的那兩個人
「ええと、古河さん…だっけ、大丈夫? 」
“那個,是......古河同學吧,沒事吧”
「あっ、はい、ちょっと首が痛いですけど
“沒事,就是頭還有點疼
大丈夫です」
不要緊”
「誰かの悪戯(いたずら)だったんって
“聽說是有人惡作劇
金だらい
那個鐵盆
すぐ後ろにいたんだけど
我們當時就在後面
なんかドリフみだいで笑っちゃった
感覺像多里弗的一樣忍不住笑了出來
*「ドリフ」:The Drifters,
原為日本樂隊,後以演出短篇喜劇聞名
ごめんね」
真對不起”
「ぜんぜん気にしないです」
“我完全不在意”
「古河さんおもしろいよね
“古河同學很有意思呢
前もひとりで子犬みたいにぶるぶる首を振ってたりして」
之前也一個人像小狗一樣呼呼地搖頭”
顔が紅潮していくのがわかる
我知道我臉已經紅了
でも今は話さないと
但現在不說的話
難しい漢字の人がくれた
就浪費了“難讀的漢字”那個人給我的
大事なきっかけなんだから
重要的時機
私は話し始める
我開始說話了
くす玉から出てきた垂れ幕の言葉に背を押されて
在紙球裡掉落的掛幕上那句話的推動下
「この先の困難に負けずがんばれby夜露死苦」
“不畏困難,努力前行by夜露死苦”
おわり
獻給永遠的CLANNAD