始幻想
東の野に陽炎の立つ見えてひとり――
在東方的原野上獨自觀賞著曙光的升起
かえりみる己の姿その長き影よ
回首望去從那修長的片影中窺見到己身的姿態
朝陽升起片影們被掃去你靜靜地走到了我身旁
陽の出暗きものども掃われてふたり――
向我伸出的手是一同前往何處的約請?
貴女の差し伸べるその御手の何処へ誘う
來吧不斷向著遠方前進直至此身終結
傾聽那從彼方傳來的終將到來的
一切歌頌之物的時代。
遠くへ遠くへさは——この命の果たせるまで
據說在那遙遠的原野之上
彼方へ彼方へ聞け——いつか來る全てうたうもの
那尚無人知曉其姿態之物...
那潛匿於暗夜之物...
——よろづのことのはを。
不勝枚舉棲息於此
彼此無法分離之物
尚未尋得其名之物
はるかはるかとおき野には
向著那原初之處前進
未だ容知らぬものが
有朝一日能夠抵達嗎?
暗き夜に潛むものが
一切都是從那開始的
數多數多棲まうという
邀請一同觀月的浪潮的去向
連何處都不知曉的雲層的隙間
相互い分かたれぬもの
川河奔流不息的輪廓
未だその名を持たぬもの
那是,幻想
その始幻想へと
彷彿迎接無數朝晨一般
いつかこの手屆くのか
彷彿自己的影子融化一般
彷彿與恆古未變之物混淆與一起
何もがそこより——
那是,幻想
任何事,都無法與前往那兒相比
いさよいさよふ波の行方
新時代的歌謠——在那無盡的生命下
何処も知らぬ雲の狹間
懷著永不磨滅的覺悟——將那終將到來的一切記述
絶えず流るる水の輪郭
——在那一切歌頌之物的時代
そは、幻
獻出自己的生命
不斷重複己身之名
幾多の朝を迎えるように
向著那原初之處前進
己が影の溶けゆくように
若能夠抵達的話
あれなるものと混じ淆るように
在那時又該如何稱謂此身
そは、幻
伴隨著環繞於人身的幻想
在那比一切都要光輝的地方
向著前方揮起手舉過影子
何よりそこへと——
任何事都無法與前往那兒相比
あらたな次代のうた——その命の盡きせぬまま
終わらぬ覚悟を持て——いつか來る全て記すこと
——よろづのことのはに。
己の命を奉げて
その名を重ね繰り返し
その始幻想へと
辿りつくことの葉えば
そのときその身をなんと呼ぶ
人の身を纏う幻
何よりも耀るき場所で
その手を影に翳して
何もがそこへと——