銀時計
迷う必要もないくらい
ちゃんと私はいつもそばで
あなたの想いもひどい痛みも
一緒に感じていたでしょ
何をこの距離で
黙ることがあるの
覗き込むほど隠すような
あなたを写す銀時計
知らなかったほうが
よかったなんて思わないよ
こんなに強い私だから
かわりに泣くことだって出来る
そうやって全てを見せないことが
優しさのつもりならね
嫌だよ勘違い
私にはいらないの
思い出すほど速くなる
針の音刻む銀時計
そこに少しだけでも
私のことも刻んでいて
冷たいその手の奥の温もり
私は忘れてなんていない
ため息零す今さえも
置いて行かれそうな銀時計
もしもいつか壊れそうな
ことがあったらなにもかも
全て理解するわ
ちゃんと私にみせにおいで
ここにおいで