あの日の君へ
やわらかな風に
飛ばされて消えた
わたぼうし追って
迷い道君を見つけた
寒がりな僕を
暖めてくれる
ひだまりの笑顔
なつかしい木綿の匂い
不器用に抱きしめた胸で僕を見上げて
“信じてる…”何もかも
今僕に預けて
時になぜか寂しさは
胸の隙間すべりこむ
だけど君がここにいるから
明日が見えるよほら
丘に立つ君の
長い髪揺らす
夏の風遠く
君のふるさとへと運ぶ
振り返る笑顔
木漏れ日が揺れる
いつまでもそこで
輝いてほしいと願う
次々に生まれては消えてゆくシャボン玉
遊ぶ君ふわふわと
空まで舞い上がる
時になぜか幼さは
時計の針巻き戻す
いつか君が消えてしまうなら
あの日に閉じ込めたい
今日も明日もあさっても
10年後も千年後も
君の頬におやすみのくちづけをしたいから
時になぜか切なさは
風のように吹き抜ける
だけど君がここにいるから
涙も乾くよほら
終わり