くだらない話で
はやく帰ろう
戻れない八月
夏が終わる
夏風が君を掠める
飲み幹した透明の
泡の數だけ考えて
話して
まるで君と夢を見てる
そうじゃない証明に
冷えたボトルを頰にあて
笑って
夕立ち降る雷鳴
ペトリコールに包まれて
白線を歩く
夕立ちの向こうへ
顔隠しながら
手を引いて走った
あの日を境に
君の優しさの意味を探しちゃったんだ
蟬時雨に降られた帰り道
ふたりサイダーを握って
やけに曇った君の退屈は
風に吹かれ
下がる遮斷棒
警告色の
先を渡れば
もう分かれ道が見えて
季節が終わるね
君らしくないこと言うなよ
戻れない気がして
日常が過去になる
夏風が君を掠める
物憂げな表情で
そのまま汗が頰にまで
伝って
夕立ちの向こうへ
2人で走ったあの日を
遠く思い出す
あの日の蟬時雨が
今でも心に降り続けてるんだ
笑い疲れたあとのバス停で食べる
氷菓子のような
そんななんて事無い夏が
來るんだって思ってた
上がる遮斷棒
赤色燈の
褪せた赤が
青空に映えるばかりで
今年も暑いね
ありきたりな會話が過ぎて
他愛ない噓じゃない
夕立ちを走り抜けて
君の手を握るだけ
いつまでもこのままで
あの日を境に
君の優しさの意味を探しちゃったんだ
蟬時雨に降られた帰り道
ぬるいサイダー飲み幹して
やけに曇った君の退屈は
風に吹かれ
踏み切る喧騒
取り留めないよ
素直になれるはずの2人なんだけど
戻れない気がして
立ち去る夏を呼び止めたよ
他愛無い二度とない
君との夏が終わる