baroque

「彼女こそ……私のエリスなのだろうか……」
“只有她……才是我的愛麗絲吧……”

主啊，我殺了人。

是我，親手殺死了那對我無比重要的女性。

回想起來，我從小就相當地膽怯。

所謂的“別人”，對我來說總是無比可怕的存在。
主よ、私は人間（ひと）を殺めました。
我認知中的世界和、別人認知中的世界。
私は、この手で大切な女性を殺めました。
我感受到的感覺和、別人感受到的感覺。

對於這種“不同”，我感到難以忍受的恐怖。
思えば私は、幼い時分より酷く臆病な性格でした。
而那就和“拒絕”聯繫到了一起，我在冥冥之中也能明白。
他人というものが、私には何だかとても恐ろしく思えたのです。
即使是快樂的對話，我也害怕加入其中。

我完全不能理解，別人為了相互接近而顯露的笑容。
私が認識している世界と、他人が認識している世界。
乾脆變成像空氣那樣就好了，我一直緊閉雙唇。
私が感じている感覚と、他人が感じている感覚。
而第一次與那樣的我搭話的，就是她。

美麗的少女(人)，溫柔的少女(人)。
『違う』ということは、私にとって耐え難い恐怖でした。
有著如月兒般柔雅的微笑，令人印象深刻的少女。
それがいづれ『拒絶』に繋がるということを、無意識の內に知っていたからです。
在起初的迷惑之後，我很快就喜歡上了她。

我在與她長久的交往之中，學到了許多東西。
楽しそうな會話の輪にさえ、加わることは恐ろしく思えました。
所謂的“不同”其實只是“個性”，是人藉以“認同”所謂“別人”的東西。
私には判らなかったのです、他人に合わせる為の笑い方が。
重要的並不是“相同的事物”，而是人與人之間的“互相理解”。

不過，只有一點，我和她是“完全不同”的。
いっそ空気になれたら素敵なのにと、いつも口を閉ざしていました。
瘋狂的愛欲之火將我焚燒烤炙，痛苦萬分。
そんな私に初めて聲を掛けてくれたのが、彼女だったのです。
我完全無法自已，因為我“已經愛上了她”。

我鼓足全身勇氣，把情感全部向她告白。
美しい少女（ひと）でした、優しい少女（ひと）でした。
然而，我的感情卻被她“拒絕”了。
月のように柔らかな微笑みが、印象的な少女でした。
那時她說出的話語，是何等地悲哀。

我終於明白，那決定性的“不同”，其實是“無法理解”。
最初こそ途惑いはしましたが、私はすぐに彼女が好きになりました。
到此為止的記憶，很不可思議地，都十分客觀。
私は彼女との長い交わりの中から、多くを學びました。
她哭著逃開，而我則追了過去。

彷彿糾結纏繞一般從石階上滾落，“性別倒錯扭曲”(Baroque)的女郎們。
『違う』ということは『個性』であり、『他人』という存在を『認める』ということ。
一邊詛咒著愛情，一邊從石階上滾落……
大切なのは『同一であること』ではなく、お互いを『理解し合うこと』なのだと。
這扭曲的心靈，這扭曲的貝殼，
しかし、ある一點において、私と彼女は『違い過ぎて』いたのです。
我的紅色珍珠也已經扭曲了嗎？

我的告解並不指望得到誰的寬赦。
狂おしい愛欲の焔が、身を灼く苦しみを知りました。
這罪孽的緣由，就是我和她之間的羈絆相牽。
もう自分ではどうする事も出來ない程、私は『彼女を愛してしまっていた』のです。
這罪孽的深重，即使是神也無法寬赦吧……。

“那麼，就讓我來寬赦你吧……”
私は勇気を振り絞り、想いの全てを告白しました。
扭曲珍珠般的女郎，在扭曲之日逝去……(Baroque Vierge, Baroque zi le fine...)
しかし、私の想いは彼女に『拒絶』されてしましました。
——巨響的雷鳴　浮現的人影
その時の彼女の言葉は、とても哀しいものでした。
不知何時在祭壇之後站立著“假面的男人”——
その決定的な『違い』は、到底『解り合えない』と知りました。
扭曲珍珠般的女郎，在扭曲之日逝去……(Baroque Vierge, Baroque zi le fine...)

そこから先の記憶は、不思議と客観的なものでした。
泣きながら逃げてゆく彼女を、私が追い駆けていました。
縺れ合うように石畳を転がる、《性的倒錯性歪曲》（Baroque）の乙女達。
愛を呪いながら、石段を転がり落ちてゆきました……

この歪な心は、この歪な貝殻は、
私の紅い真珠は歪んでいるのでしょうか？

誰も赦しが欲しくて告白している訳ではないのです。
この罪こそが、私と彼女を繋ぐ絆なのですから。
この罪だけは、神にさえも赦させはしない……

「ならば私が赦そう…」

歪んだ真珠の乙女、歪なる日に死す……（Baroque Vierge Baroque zi le fine……）

——激しい雷鳴浮かび上がる人影
いつの間にか祭壇の奧には『仮面の男』が立っていた——

歪んだ真珠の乙女、歪なる日に死す……（Baroque Vierge Baroque zi le fine……）