葉えられた願い
あぁまだあの浜辺は私を覚えているかしら
小さな入り江には靜かな波の音がした
あの夏の始まりに旅をしたの
行く先も決めぬまま鳥のように
晴れ渡る青空溢れる緑のきらめき
防波堤の先であの人は何を言ったの
こんなにも君の事好きになるなんて
驚いたまなざしで見詰めあった
私の願いが葉ったのは
あまりにもはてしない昔のこと
両思いの二人は何もかもがすばらしくて
降り出した小雨を少しも気にせず歩いた
あの夜の狂おしい潮の香りが
いつまでもいつまでも
終わらないの
二人の願いが葉ったのは
あまりにも果てしない昔のこと
あの夏の始まりに戀をしたのを
それからはもう二度と
生きられないほど
あの夏の始まりに旅をしたの
を行く先も決めぬまま鳥のように