“君だけが知っていて他のだーれも知らない名前
まあるい輪っかを引っさげて くるくるまわる くるくるまわる
僕らだけが知っていて他のだーれも知らない名前
君の陽気を引っ掛ける この合図を送ろう
(右手に希望を掲げ 幸福を指に絡め取る)
(右手に希望を掲げ 幸福を指に絡め取る)
地下三階すき間の部屋に そうっと飴を差し込んだ
君の痩せてしまった 骨の住み家の足しになるように
そんなに悲しい君を 支えてくれるものは何
ねえそこに入れてよ あいつが君を食べてしまう前に
隠れられず逃げられもしない 見てないくせに見逃してくれない
大口開けて見つめる獲物の あきらめを待っている
君は足場を守る理屈で建てた砦を 経験で満たそうとまた
理屈を重ねてガラリと崩れ
事実の張り子で 固めたごまかしも
何の脈絡もない色合いを恥じて 力を無くし転がるだろう
だから縺れたそんなものはちょきんと切っちゃって
新しい空気を吹き込んで また伸びていく
うわっつらだって確かに君なんだ それでも息が苦しいなら
ヒライテヒライテ
流し込んで ひとつになって
はじける音を 聴きながら
(右手に希望を掲げ 幸福を指に絡め取る)
(右手に希望を掲げ 幸福を指に絡め取る)
(右手に希望を掲げ 幸福を指に絡め取る)
(脈打つ体を その血が満たし 木の芽が殻を破りだす)
地下三階すき間の部屋に そうっと耳を傾けた
君が気付かれまいとしながら小さく叫ぶ声を聞いた
ツムジが枯れ葉を巻いた 庭のブランコ揺れた
さあそこに入れてよ エレベーターのドアが開いたよ
強がり方を変えたところで 奥底で上げる声は変わらない
子供の頃待ってた迎えを今も待っているなら
フタをして転がして 月水金と雨ざらし
さみしく覆ったままで 押し込めて押し込めて溢れ
考えない 見ない 思い出さない 想像しない 何も知らない
靴に染み込んでく その感触もありはしないんだ
分かれた希望の一方が 歪んだ鉢を抜け出して
すっと息を ひとつ ふたつ あともう一息
(天天)
アタマをすぱっとカットして 君を引きずり出していく
ヒライタヒライタ 淡く ほどいて 君をほどいて
ごちゃついた根っこなんかさっと切って
ぜーんぶ燃やしてここを開けて
息苦しさから分かれて伸びた 希望の芽を伸ばそう
息苦しさから分かれて伸びた 希望の芽を伸ばそう
息苦しさから分かれて伸びた 希望の芽を伸ばそう”
そんな声が聞こえた