藤波恋慕
純情…夢のような夢を
見せてくれた君よ
武士の思慕 漲りて
撓らせた弓が 風を切る
ひとつ…音無き静寂に
鳴らす筋 能わず
只管に 構えては
君を思い出し 指離つ…
強かな情 可憐な君を
守るが男の道
藤波飾り 舞い散る美しき花よ
頬に彩る 紅の色
直向きな 輝く瞳に
思い募る…
与えられた 鏑矢と
凛然たる姿よ
泡沫に 溺れゆく
光、矢の如し 恋落ちる
研ぎ澄まされた 精神の先
進むは男の道
藤波飾り 振り返る君の髪は
咲き誇る藤の花房
直向きな 見つめる瞳に
思い募る…
藤波飾り 舞い散る美しき花よ
頬に彩る 紅の色
直向きな 輝く瞳に
思い募る…
終わり