ふたり綾とり
真昼の空に浮かぶ雲が
薫る風にたなびく
歩き慣れたはずの道の途中
知らない花を見つけるたび
想うのは君のこと
指先から滲む優しい熱
伝えたい言の葉ごと
新しい季節へと移りゆけば
君のそばで色づいた
小さな蕾は もう隠せなくて
夢うつつに薄紅の恋をする
ふたりだけの甘い綾とり
眠れぬ夜を照らす月に
誘われて仰ぎみた
眩ゆすぎる光 浴びたままで
逢えない時間(とき)が愛をつくる
呟いた君の名が
心に空いた隙間(あな)埋めるように
募る想いの花片(かけら)は
新しい景色まで見せてくれた
君の姿 追いかける
愛しい証は この胸の痛み
夢のなかで触(さわ)れない恋をして
忍ぶだけの遠い綾とり
君がくれた微笑みで
はじまる何かを ああ 知りたいから
夢うつつに瞳(め)を閉じて
耳元で語りかける
鮮やかな紅(あか)に色づいた
小さな蕾が今 花をひらくように
夢が覚めて本当の恋をした
ふたりだけの甘い綾とり