ふるさとは忘れない
作曲:加藤登紀子
作詞:加藤登紀子
どこまでも遠く果てしない旅路を
何を求め見つめて何をさがしているの
ふるさとはあなたをずっとずっと待ってる
カタカナと紅色に糸紡ぐはた音
風に揺れるビンロージュ庭に咲くタンタワン
この道を出てゆく陽をあびてゆれながら
どうしてとめられないのここにあるぬくもりで
火を燃やす煙はどこへどこへ屆くの
この空のどこかで夕暮れを見ている
あの人に伝えてよ待ちわびる想いを
帰れない旅人の歌がきこえる
(語り)
愛するものを守りたくてふるさとを離れる
かなしみを忘れたくて思い出を捨てる
今日よりあしたがいいものであるために
きのうのやすらぎを失い
夢をかかえすぎた街角で
たったひとつの夢が消える
よみがえれ大地すべての生命のために
とりもどせ愛を途方にくれた迷子たち
満たされぬ想いにすべてが空しくみえる時も
あふれる淋しさでおぼれそうになる時も
目を閉じて思い出せ裸足で走った草原を
體中で思い出せ空にとどく聲を
帰れない旅人の歌がきこえる