プール(July 2010 ver.)
陽射しは水の底まで折れ曲がるようにして屆いた
そこにまるで探していたものがあったかのようにね
水色のフィルターを通して僕は世界を見ていた
搖らぐ視線のずっと先に繰り返される悲しみも
目映い夏の風は穩やかに過ぎていく
やわらかな波にたゆたう痛みを置き去りにしながら
樂しそうに笑う子ども達光のプールが包みこむ
僕は季節に浮かんだままでただただそれを眺めていた
はしゃぎすぎる時間とその向こう側にある靜寂(しずけさ)
夢と現實の狹間であなたの聲が聞こえた氣がした
目映い夏の午後にいつか朽ちてく時
永遠なんてないだからこの瞬間が愛しく思えるんだ
手と手が觸れて二人顏を見合わせた光のプールに沈み迂む
きっと僕らがつかみたかったものはこんなありふれた日常なんだ
樂しそうに笑う子ども達光のプールが包みこむ
僕はあなたを離さないように強く強く抱きしめた