今際のときにさえ
於臨終之際
その道を説くこと
你仍在將道法講述
その心に幾ばくかの影在れば或いはと
若你的心中能存有些許陰影,或許一切會變得不同
いとしきその名を呼び
呼喚著那深愛的名字,
どれほど惜しんでも
但無論多麼地珍惜過,
その聲が此方を向くことは終ぞ此の時
那聲音也已無法傳向此處。
ありはしなかった
終於到了這樣的時刻。
せめて最後には応える言葉を
在最後,回應的話語,
一言二言さえあれば
哪怕只有少許,
あるいはそれがかなしむ胸中(胸)
或許也能,為我取出
取除いてくれたかと
內心的傷痛。
嘆きの哭(音) 呼びさますことも
哀嘆的哭聲,已無法
できずに屆かぬ距離を錯覚う(思い)
將其喚醒,錯覺般地(確切地)感受到了無法抵達的距離
わたしはこうして獨りになっていった。
就這樣我變成了孤單一人。
もう、誰もいない。獨りになる。
再也,沒有其他人。孑然一身。
それが恐ろしいのかと。自問(問お)えば。
那可是令人恐懼的事情?若這般自問(叩問)。
そうでもあり。そうではなく。
或許是,或許否。
ただなぜか戦慄く手の。
只是為何雙手在戰栗著。
わけのわからぬまま。止められなく。
無法知道緣由,卻也停止不住。
その衝動に埋もれながら。
即便掩埋那份衝動也依然如故。
私は何を怖れている。
我在為什麼東西而恐懼。
握り締めていた手を
打開緊握著的手,
開いて見つめれば
注視其中,
見る影無く枯れ細った手に老い白んだ髪
所見已無往日踪影,在枯瘦的手中,是衰老的白髮。
私はあなたほど
我無法像你
強くも無ければと
那般堅強,
この心に幾ばくかの影振り払うなど
我無法揮去,藏於自己心中的,
できはしなかった
些許的陰影。
曰くそも受け入れ難きことにも
有人說,即便是難以承受之事,
心の在り方を正せばと
只要擺正內心,仍有辦法面對。
寄辺とした 教示さえ今
但這曾為我所依賴的教導,於今,
空しければ 意味は無く
卻變得空洞,而沒有意義。
うつろうべく 生きることは苦と
理應無常,生者皆苦,
思い至ることも必定と
注定會得出這樣的結論。
わたしはこうして獨りになっていく。
就這樣我變成了孤單一人。
そう、生きていたい。消えてしまう。
是的,想要活下去。離開人世一事。
それが恐ろしいのだと。気付く。
確實令人畏懼。終於察覺。
何物でもなく。何者でもなく。
不是為了何人,也不是為了何物。
ただこの身だけを惜しんで。
只有這個身軀無論如何都無法捨棄。
老いて消えゆくまで。止められなく。
直至衰老而逝,都不會停止。
その衝撃に打ちのめされて。
那樣的衝擊將我擊垮。
私は怯えているのだ。
我正為什麼東西而恐懼。
こうして消えていくは世の倣いであるなど
若說就這樣逝去方為世間常理,
わたしはもはや認められない
我已無法為這樣的常理所允許。
あの花の彩を移したこの髪さえ
既已將鮮花之色澤染於發上,
わたしはもはや認められはしない
我已註定無法為世人所承認。
ゆえに、手繰り寄せる。この両手で。
於是,將其拉至身側。欲以這雙手。
道を踏み外そうとも。それが。
踏入外道之中。那即是。
信じたもの。縋ったもの。
我所相信之事,我所依賴之物。
全てに背を向けようとも。
即便要背這一切而去。
我を喪うこと。止められよう。
我也不會阻止,自己的墮落。
その願いさえ葉うのならば。
只要那份執念能夠實現。
生きてこそ至れるものへ。
向著唯有活著才可抵達之物。
-もう、何も怖れない。
—已是,再也沒有可畏懼的東西。