生きる
薄暗い山にあった
やけに高い場所にあった
行けなくはない距離だった
行く気にはなれなかった
陽が昇り沈み「おやすみ」で眠る
目が覚めて笑顔一つ消える
でも生きるまだ生きる終わるまで
そしてまた陽は昇り沈み
眠る様に逝く
かじかんだ手で蒔いた
種は今芽を出した
秋が來て金に染まった
その手觸れられなかった
陽が沈み昇り「おはよう」で起きる
あの山にもまた朝日が差す
また生きるまだ生きる終わるまで
輝いたあの日だけ抱いて
人知れず逝く
でも生きるまだ生きる終わるまで
そしてまた陽は昇り沈み
眠る様に逝く