となりの町のお嬢さん
となりの町のお嬢さんが
僕の故郷へやって來た
都會の香りふりまいて
夢を見させてくれたんだ
好きになっちまったんだよ
はじめて知った口紅の味
僕の胸ははりさけそう
月夜の晩に誘われて
大人になると決めたんだ
ながい髪は夜露にぬれて
蒼い月がかわいい人の
えくぼの上でゆれてるよ
となりの町のお嬢さんに
僕は心も捧げたい
忘れることは出來ないよ
白い胸でねむりたい
好きになっちまったんだよ
すてきな君は町の人だ
いつか帰ると知ってるさ
切符を二枚買っちまえばいい
二人で戀のキシャポッポ
夜風が君のうなじをみせる
おもわず僕はかわいい人の
くびれた腰を抱きしめる
となりの町のお嬢さんは
僕を殘して行っちゃった
約束よりも早い汽車で
何も言わずに帰ったよ
きらいになっちまったのかよ
となりの町の風に乗って
そんなうわさを耳にした
お嫁にいってしまったんだね
娘心と秋の空
海辺の町は夏の終わりと
すっぱい戀でみかん色に
しらんふりしてゆれてゆく
となりの町のお嬢さんは
今年の夏の忘れもの