遠雷
黙ったまま流れる午後 窓つたう雫
冷めたカップ ペイズリーの煙草のけむり
嫌われようとしてたのね
もういいわ 意気地なし
気づかぬふりをしてひきとめただけ
過ぎた日々に耳を寄せる 乾いた巻き貝
はじけた恋 閉じ込めてた ビー玉の泡
灯りはまだつけないでね
仄白い部屋中の
ぼやけた輪郭が消えてゆくまで
ああ 紫陽花の雨 エメラルドの涙
二人膝をただかかえ 聴いている
名前もまだ知らない頃 ふりかえった肩
もう見れないの あの眩しいブロンズの肌
こんなに近くにいるのに
なぜか思い出せない
本気で怒ったり 泣いたことさえ
ああ 遠雷の音 キャノンボールみたい
新しい夏 もう そこに来てるのに
ああ 紫陽花の雨 エメラルドの涙
二人膝をただかかえ 聴いている
ああ 遠雷の音 キャノンボールみたい
新しい夏 もう そこに来てるの