雨待ち風
遠くどこまででも続いて行く空
君を失くしてから
いつもの景色がよけいに
色濃く映り込むから
僕は目を閉じてしまう
鳴り止まない僕の鼓動
君を追って行けばよかったのに
何も言わない入道雲
あらいざらい消し去ってほしい
雨待ち風、
ほほをなでていく
蜃気樓に溶けていく蟬達の叫び
ここに生きている、と
その身を削って伝えてる
僕のかすれた聲も君に屆けばいいのに
夕立から逃げた時に
はぐれないようにつないだ手も
光の中戯れて
何度も呼んだ君の名前も
まぶたの向こう側
歪んでく
鳴り止まない僕の鼓動
君を追って行けばよかったのに
何も言わない入道雲
あらいざらい消し去ってすぐに
ひからびてた毎日よ
音を立てて剝がれ落ちていけ
聲を張り上げて
君の名前をもう一度この空へ
雨待ち風、
ほほをなでていく