荒野
その時俺は夢の中道は空へゆれていた
風は向きを変えながら俺の顔色を見る
風よおまえに抱かれて空から見おろせば
顔をゆがませ歯をくいしばる俺が歩いてた
渇いた口に叫ぶことばは
大地のざわめきに消えるけど
ひたむきに燃えながら
いつしか俺は砂塵の中ひとり荒野をめざしてた
何処かで誰かが俺を呼ぶ
― 靜かな生活に戻れ!― と
夢を斬る深い嵐俺をつつんでも
少しだけ身をふるわせ睨みつけて歩こうか
果てしなく続く長い人生(たび)で
幾つかの悲しみ置き忘れても
ひたむきに燃えながら
果てしなく続く長い人生で
幾つかの悲しみ置き忘れても