鮮やかなもの
優柔不斷の君がようやく決めた事だから
きっと
いっぱい惱んだのだろう
いっぱい考えたのだろう
ねぇ、そうでしょ?
“好きな人が出來たんだ”
泣くのをこらえる君の顏さえ見れやしない
突然、ポカリと空いてしまったこの胸の中に
春の風が通り過ぎた
君の笑顏君のしぐさ君の言葉のすべて
僕のためだけにあると信じていたから
こんな風な終わり方じゃいたたまれやしないけど
それ以上に僕は君のことが好きだからこそ
笑って手を振るよ君が悲しまないように
あれから何年か經って月日に心愈されて
ほら
意外とうまくやってる
意外と樂しくやってるけど
こんな
うららかな春の日には君の體溫(ぬくもり)思い出して切なくなる
だけど、夢から覺めても君が鄰に居るわけないし、
僕は僕のままで…
今になって思い出せばあの頃の僕達が
過ごした時間は決して無馱ではなかった
そして僕は君と同じこの青空を眺め
これからも步いてゆけると思うよ限りない
その鮮やかなものこの胸に抱いてずっと