サバンナの疾風
灼けつく砂を散らして
大地を鳴らすのは
忘れかけた恵みのスコール
幾千の鏃を降り刺す
稲妻雲の狭間で
途絶えず駆け巡り
震えながら伸ばした手は
閃光に弾かれて
わたしが戦い続けてきた
サバンナは小さな箱庭
遠くであざやかに羽ばたく音
気づいたの
あれはこのドアの向こう
耐えるものを叩きながら
降り注ぐ雨と
芥すべて飲み込んで
流れる大河
荒ぶる大地は果てしなく
風が誘う空へ
雨上がりの草原には
陽射しの中跳ねるガゼル
ゼブラの群れが
導く遥かな旅の途中には
わたしの箱庭も続いてる
光の中で
ざわめく地平線から
聞こえるあのメロディ
遠い記憶滾る心
新しい陽が昇る
大きなアカシアの樹の下で
夜明けを待ち続け泣いた日
たたんだ翼を広げた今
飛び立つわたしは
サバンナの疾風