蜘蛛の糸
心は今 あらゆる可能性を網羅して
君へと向かう か細い糸を選んだ
それは蜘蛛の巣 或いは罠に誘う澄んだ糸
体中に纏い死んだとしても本望
荒れ茂る木々の暗がりで
夜霧の滴に濡れて煌めく
その美しき糸を
指で触れるよ
この思いを 闇雲に振りほどこうとして
でもできなくて 余計にきつく絡まるだけ
恋の終わりの虚しさを
君だって知っているだろうさ
それなのに
物怖じしない強さに 惹かれてくよ
退屈な日々の暗がりで
月光に照らされ揺れる 踊るように
その怪しい光に 目が眩むよ
君という無二の糸を 引き寄せるよ