たけくらべ
たけくらべ
青梅竹馬
樋口一葉
樋口一葉
美登利はかの日を始めにして生れかはりし樣の身の振舞、
美登利從這天起像換了個人似的
用ある折は廓の姉のもとにこそ通へ、かけても町に遊ぶ事をせず、
除了有事去花街的姐姐那兒去外,再不到街上來玩了
友達さびしがりて誘ひにと行けば今に今にと空約束はてし無く、
小伙伴們覺得無聊,再三去找她,雖然每次都答應一會兒來,卻也沒再出來
さしもに中よし成けれど正太とさへに親しまず、
就連對以前那麼要好的正太郎,現在也不怎麼理了
いつも恥かし氣に顏のみ赤めて筆やの店に手踴の活溌さは再び見るに難く成ける、
見人總是羞答答的,再難見到筆店門前跳舞時的活潑姿態
人は怪しがりて病ひの故かと危ぶむも有れども母親一人ほほ笑みては、
人們奇怪,擔心她是不是病了,她母親卻意深長地微笑著說
今にお俠の本性は現れまする、これは中休みと子細ありげに言はれて、
現在是暫時休息,這兩天就會露出頑皮的本性...
知らぬ者には何の事とも思はれず、女らしう溫順しう成つたと褒めるもあれば
不知道的人哪裡曉得底細呢、有人稱讚說,那孩子也有大姑娘的風度了,斯文了
折角の面白い子を種なしにしたと誹るもあり、
有人卻惋惜道,那麼好玩的姑娘,變得呆板了
表町は俄に火の消えしやう淋しく成りて正太が美音も聞く事まれに、
大街小巷好像都滅了燈火,驟然寂靜了許多,再也聽不見正太郎得意的嗓音
唯夜な夜なの弓張提燈、あれは日がけの集めとしるく土手を行く影そぞろ寒げに、
只是夜色籠罩的夜裡,總能瞧見一個提著弓形燈籠的小小身影,冷冷清清的走過堤壩、那正是收利錢的日子
折ふし供する三五郎の聲のみ何時に變らず滑稽ては聞えぬ。
只有偶爾伴有三五郎滑稽的談笑聲,仍舊是那樣詼諧有趣
龍華寺の信如が我が宗の修業の庭に立出る風説をも美登利は絶えて聞かざりき、
龍華寺的信如為了鑽研本派的教義將要出門上學的消息,一直沒有傳到美登利的耳朵裡
有し意地をば其ままに封じ込めて、此處しばらくの怪しの現象に我れを我れとも思はれず、
她把以往的怨恨藏在心中,這幾天為了那愁人的事始終心神恍惚
唯何事も恥かしうのみ有けるに、或る霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり、
為這事害羞著....(這句接上句,指的是這幾天一直讓美登利覺得羞恥的事)在一個下霜的早晨,不知什麼人把一朵紙水仙丟進大黑屋別院的格子門裡
誰れの仕業と知るよし無けれど、
雖然不知道是誰丟的
美登利は何ゆゑとなく懷かしき思ひにて違ひ棚の一輪ざしに入れて淋しく清き姿をめでけるが、
美登利卻懷著不勝依戀的心情把它插在錯花格子上的小花瓶裡,獨自欣賞它那寂寞而清秀的姿態
聞くともなしに傳へ聞く其明けの日は信如が何がしの學林に袖の色かへぬべき當日なりしとぞ。
日後她無意中聽說,在她拾花的第二天,信如為了求學穿上了法衣,離開寺院出門去了。