この街で ~第二章~
君は扉を開けた
未來(あす)への旅の途中
小さな自信を両手に握り締めて
うっすらと見えてきた君と夢繋ぐ橋
あの回り道は間違いじゃなかった
吹きすさぶビル風と
ざわついた交差點
頼りないけど君は足を進めてた
浮かれ文句の誘い
同情と無関心
街は色んな顔を覗かせた
住み慣れたワンルームで一人
キラリキラリと輝く夢の花を育てた
この街でこの部屋で
君は始まったんだ
気負う朝焦る夜
空回る日々は多いけど
積もりゆく経験が
その心に水を撒いて
ゆっくり確実に
君の個性を磨く
誰かの涙の意味
言葉が持つ重さを
知らず知らず街は君に伝えてた
悲しみや苦しみを幾つか越えたんだね
強さの中に優しさが見えた
苛立ちの渋滯に蠢く
妬み嫉みのクラクション
決して鳴らさぬように
この街でこの場所で
幕が上がったんだ
腳本も監督も主役も全部君だから
何度でも何度でも試行錯誤を繰り返し
血となり肉となるそれが君の寶
この街でこの場所で
君は羽ばたくんだ
大丈夫、ほらごらん
君の親も同じだった
素晴らしい友と出逢い
愛する人と向き合って
十年、二十年…そして次の時代へ
君は扉を開けた
未來(あす)への旅の途中