旅鳥クロニクル
広がるのは灰色の雲
擴散的灰色雲朵
嘗て憧れた蒼穹は見る影もなく
曾憧憬過的蒼穹無影無踪
吹き荒ぶ風は影を運び
狂吹的風搬動影子
殘された時間をただ削ってゆく
單純將被留下的時間逐漸削去
羽を奪われた鳥たちは遠い空を憎み
被奪去羽翼的鳥群憎恨著遙遠的天空
世界の果てにあるという幸福の地を求めた
追求著傳說在世界盡頭的幸福之地
夢見た楽天地は空を覆う悪意の先に
曾夢過的歡樂天地就在覆蓋天空的惡意前方
何時の日かこの眼で見る事ができるのだろうか
要到哪天才能用這雙眼看到呢
消え行くこの世界は闇を統べる靜寂の下に
逐漸消失的這個世界就在統治黑暗的寂靜之下
未だ見えぬ明日を探しただ行く
為尋找仍看不見的明日一心前行
橫たわるのは蠢く影
擋在眼前的是蠢動的影子
嘗て謳歌した豊饒は見る影もなく
曾謳歌過的豐饒無影無踪
降り続く雨は生を汚し
持續落下的雨將生命弄髒
殘された魂を刈り取ってゆく
將被留下的靈魂逐漸消除
羽を奪われた鳥たちは淡い夢を抱き
被奪去羽翼的鳥群懷抱著淡薄的夢想
時間の果てにあるという悠久の地を求めた
追求著傳說在時間盡頭的永久之地
夢見た理想郷は地に蔓延る敵意の先に
曾夢過的理想鄉就在蔓延土中的敵意前方
微かな光でもただ縋るほかないのだから
因連微弱的光也只能去依靠它
消え行くこの世界は罪を焼べる焦熱の中に
逐漸消失的這個世界就在將罪孽燒盡的焦熱中
未だ見えぬ明日を探しただ行く
為尋找仍看不見的明日一心前行
羽を奪われた鳥たちは偽りの自由を疎み
被奪去羽翼的鳥群疏遠著虛假的自由
意識の果てにあるという忘卻の地を求めた
追求著傳說在意識盡頭的遺忘之地
夢見た楽園は幼き日の記憶の中に
曾夢過的樂園就在幼時的記憶之中
花の香に包まれ青く澄んだ風を追いかけた
追逐著被花香包圍碧藍清澈的風
消え行くこの意識は螺旋描く空想の中に
逐漸消失的這份意識就在描繪螺旋的空想之中
もう見えぬ明日を想いただ眠る
想著已看不見的明日就此睡去