夜戦
きみはまだ起きてる
空に目凝らして
壁のように分厚い雲
浮き足立ってしまって
窓をとびだして
雨樋をつたって
裸足でいく
足首に絡まる濡れた草の匂い
風が止んだら
いっせいに揺れるブランコ
水滴に映る
季節の走馬燈
忘れたこと
思いだせないこと
まだここにいること
山の斜面勢いづいた子供達を
風が追い越したら
夜空に觸れる
僕らの靴
墜ちていくよ
きみのもとへと
夜空に觸れる
僕らの靴
墜ちていくよ
きみのもとへと
夜空に觸れる
僕らの靴
墜ちていくよ
きみのもとへと
墜ちていく
昨夜未明
壁のように分厚い雲に覆われた夜空を
無數の光が橫切っていった
あるものはそれを隕石だといったが
町の週囲にも山にも海にも落下物はおろか
その痕跡すらみあたらなかった
畫面のなか
神が手にした松明
暗視スコープ
緑色に揺らめいている
畫面のなか
神が手にした松明
暗視スコープ
緑色に揺らめいている
夜空に觸れる
僕らの靴
墜ちていくよ
きみのもとへと
もうまにあわないかもしれない
夜空に觸れる
僕らの靴
墜ちていくよ
きみのもとへと
墜ちていく