モスキート
始まりは蚊の鳴くような聲で
カタチになっていった
指でツンと押せば倒れそうに儚く
慣れ過ぎた手さばきで捕らえた
僕を笑うように
ひび割れた関係が月夜に映えていました
誰を求め何を描いてこの先どこへ向かうの?
もうどうなったって無くなったって
構いはしないけどやけに羽が騒ついて
抱き合うようにして互いに傷付いて
分かったような顔で求め合った
葉わぬ戀だと? そうとも取れるな
「今更?」って聲が聞こえて
「だってさ」って 無理を通していた
またいつ逢えるの? これも愛だろう
それはまた格別な匂いで誘いに乗っていた
待たされた分だけ執拗に吸い付いた
繰り返す定めかのように僕を襲っていた
懐かしくもある胸の動揺が切なくて
引き出しの中空っぽになった
言葉なんてどこにも無かった
胸をあさって一難去って後悔はしないけど
それでも僕は騒ついて
絡まり合った線で結ばれていて
きっともう離れはしないなんて
お伽話じゃあるまいしって笑った
「もっと」って顔が愛しくて
何度だって羽ばたけそうだった
束ねた愛などはいらないよ
冷めた「ごもっとも」って顔が綺麗で
ずっとずっと見つめていたかった
その目にはどんな僕が映っている?
少しだって 良かれと思って
真っ當ぶって 明日を語っていた
まだ逢えないのかい? それもありだろう
眠っていたダメな心が
何処までもいっちゃったら
連れて來て僕のところへ
ずっとずっと抱きしめよう
またふっと消えたくなれば
二人だけの酸素の上
夢をプカプカと浮かべてさ
幸せになろうよ
抱き合って互いに傷付いて
分かったような顔で求め合った
葉わぬ戀だと? そうとも取れるな
「今更?」って聲が聞こえて
「だってさ」って 無理を通していた
またいつ逢えるの? これも愛だ
馬鹿げた 世も末のこんな歌なんて
千切って捨ててしまっても構いはしない
君がいない僕なんて なんなんだ?
どうやったって 君が欲しくて
今夜だって 眠りは遠そうだ
またいつ逢えるの? これも愛だろう