ウェンディーと魔法の森
森の中を歩く少女は
ボロボロで
汚れた衣裝
何日も徬徨い
歩いた
體中
痛みと空腹に耐え
ここが限界と
立ち止り
眠るように
倒れこむ
目的を果たせそうになくて
數々の思いの涙
「さあさこちらへどうぞ
君のことはずっと見てきたから」
光に包まれて
重い體は
ふわりふわりと
軽くなり
聞こえてくる聲は
“君の何かが
引換に願いを葉えよう”
ここは何処?
なんて今?
それは本當?
music
お金とか高価なものとか
私には
何もない
だからこの體や手足が
引換で
良いのでしょうか
「良いの?それでも良いの?
君が言うならそれで葉えてあげよう」
手足と引換に母の病を
全て治してくれました
両目と引換に母の暮らしを
豊かなものにしてくれました
「このままじゃ君が可哀想だ
全てを貰うけれど
優しい君に最高の
魔法をかけてあげよう」
徐々に溶け出すように
一つ一つ
忘れて行く記憶
優しいゆくもりに
包まれ眠る
なぜだかとても
懐かしく
大好きな鼓動に
包まれ眠る
とても心地よく安らいで
突然母に
宿った命
だけど不思議に
思わずに
全て夢で見たと
笑顔で涙
付ける名前はもう決まっている
今日は君の
誕生日
2回目の
幸せを
きっと同じ
名前だよ