忘れ得ぬ人
どうしたら説明つくだろう?
君にそして自分自身に
まるで理想通りの美しさを
すぐ目の前にして
寂しさに打ち勝とうとして
誘惑を目の敵にして
頑な自分とさよならできるそのチャンスが來たのに
甘く切なく響く
君が弾くピアノのコードに
ひとつの濁りも無く
優しく僕を包んでくけど
何してたって頭のどこかで
忘れ得ぬ人がそっと微笑んでいて
憧れで幸せで僕を捕まえ立ち止まらせる
誰一人として近づけないくらい
忘れ得ぬ人が胸を濡らしていく
心の岸辺で僕は今日も待ってる
君の望み通りに
卒なくこなす僕もいる
何食わぬ顔をして満足げに振舞えるだろう
本當はその方法が正しい道かもしれない
きっと後悔もするんだろう
だけどその手を引き寄せはしない
愚かだって自分で解っていても
忘れ得ぬ人が心に生きていて
優しさで厳しさで僕を抱きしめ立ち止まらせる
歳を取って自由をもがれても
忘れ得ぬ人だけが心にいる
その日が來るのをどこかで願ってる
何してたって頭のどこかで
忘れ得ぬ人がそっと微笑んでいる